Show More Night

契約ライターによる多ジャンルブログです。様々な話題を混ぜて自由に書かせてもらってます。少しでも皆さまの暇つぶしになれるよう一生懸命暇を潰していきますのでよろしくお願いします。ふらっと来て頂ければ幸いです。

トライアングル

 

 

2009年、アメリカ映画。

 

監督・脚本、クリストファー・スミス。『0:34レイジ34フン』、『ゴッド・ウォー 導かれし勇者たち』、『サヴァイヴ 殺戮の森』など、サスペンス系が好きな監督のようです。

 

 

アイディアは非常に面白いのですが、ツッコミ所満載の映画でした。まずタイトルをなぜ『トライアングル』にしたのでしょうね。こちらヨットの船名なのですが、舞台、ヨットじゃねぇし! むしろ客船の方でしょ。

 

主演ジェス役にメリッサ・ジョージ。『クライムダウン』、『30デイズ・ナイト』などに出演しています。この人、こんな作品多いですね、そういうキャラには見えないのですが……。

 

自閉症の息子トミーを持つシングルマザーのジェスは、常にトミーにきつく当たってしまいます。ジェスは、ある日ヨットへのクルージングに誘われますが、出掛ける直前トミーが世話を焼かすので、トミーに対して暴力を振るってしまいます。トミーは水の入ったバケツをこぼしてしまったのです。ここがあとで重要なシーンになるとは思いも寄りませんでした。

 

そのとき、呼び鈴が鳴ります……このあたりの伏線回収はきれいに収まっていて、上手い演出となっています。

 

ヨット・ハーバーに着いたジェスですが、ここからすでに歯車はズレていたのです。ヨットの船名は『トライアングル号』。

 

初対面の友人なども含め、総勢六人でヨットで海原に繰り出します。ところが沖合で、ヨットが止まってしまい、しかも嵐が近づいてきます。ところが無線で連絡をするのですが、沿岸警備隊からは「異常はない」との返答。さらに無線からは助けを求める女性の声が聞こえます。あぁ、もう不思議ワールドの中なのね、と。

 

そして、津波に襲われ、ヨットは転覆します。そこに大型客船『アイオロス号』が通り、その船に乗り移ります。ところがアイオロス号は無人。そして、なぜかジェスはこの船に見覚えがあるといいます。このあたりのホラーチックな演出は興味を惹きつけられます。

 

六人は、三手に分かれ船内を捜索します。そして、ジェスはなぜか自分の車のキーが落ちているのを発見し、バスルームの鏡に『劇場へ行け』という、血文字を発見します。ところが、ヴィクターは階段でジェスを見たといい、六人は混乱し始めます。

 

ここまでは静かなホラーが進み、ワクワクするのですが、徐々にスプラッターな殺人映画に変わっていきます。加えて、同じことが繰り返される無限ループに陥ります。自分が自分に襲われたり、たくさんの自分の死体があったりと、どのように収拾を付けるのか、と興味が惹かれます。

 

ジェスはその客船から海に落ち……自宅近くの砂浜で目を覚まします。自宅に戻ると、もう一人の自分がいます。時間軸は、ヨット・クルージングの出発前です。

 

窓から覗くジェスを見て、トミーは驚いてバケツをこぼしてしまいます。過去の自分がトミーに暴力を振るっているのを見て、慌てて玄関のチャイムを押します。過去の自分からトミーを守るためだったのです。

 

さらに、ジェスは過去のジェスを殺してしまい、トランクに詰め車に乗せます。この無限ループから抜け出すために、違う方法を試みたのです。ジェスはトミーを車に乗せ走り出しますが、途中、カモメがフロントガラスに当たって死んでしまいます。ここの件もよくできています。カモメの死骸を海岸に投げ捨てると、そこには大量のカモメの死骸があります。つまり、無限ループは続いているということなのです。

 

恐怖に駆られ車を飛ばすジェスは、対向車と事故を起こしてしまいました。そこで、トミーは死んでしまい、殺した過去の自分の遺体が運転者であるとされます。

 

そして、ジェスはタクシーに乗り込み、ヨット・ハーバーへ向います。すると、そこには『トライアングル号』の仲間たちがいます。また、始まるのです。

 

どう解釈するかは、観た人それぞれでしょう。よくできた脚本ですが、ヨットの仲間関係ないし、客船の殺人大会もいらなかったのかなぁ……と思ってしまいました。