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契約ライターによる多ジャンルブログです。様々な話題を混ぜて自由に書かせてもらってます。少しでも皆さまの暇つぶしになれるよう一生懸命暇を潰していきますのでよろしくお願いします。ふらっと来て頂ければ幸いです。

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メキシコシティの南、ソチミルコの運河の真ん中に、島があります。忌まわしい歴史のある島です。その名も『人形の島』です。

この島は、フリアン・サンタナという男が、溺れた少女の霊を慰めるために、多くの人形を捧げ物として吊してあることで有名です。

 

 

 

ここまでが前フリ。今回は人形に関する伝説です。

 

人形とはいろいろなものになります。保護者や忘れられない仲間にも。なくてはならないオモチャ。信頼できる友人。そして、恋人にも。

 

しかし人形が側にいると、不安になることも珍しくありません。私たちを真っ直ぐ見つめているようなガラスの瞳。この不安は、脳の働きによるもので、人の顔を認識するための能力なのです。

 

ですが、上手くいかないときもあります。心理学の概念に不気味の谷というものがあります。人間の姿にそっくりだが、人間ではないものに対して、我々の心は、本能的に拒絶するのです。

 

それは人間の持つ、防衛本能からでしょう。

 

にも関わらず、我々はこうした無機質な物体に心を見いだします。生きた存在として扱おうとする。しかし、それは危険なゲームです。時として、こちらが望むような存在でなくなることがあるからです。

 

舞台は、1904年2月、フロリダ州キーウェスト。そこにトーマスとミニーのオットー夫妻が住んでいます。裕福な夫妻はよく旅に出掛け、芸術に深い情熱を持っていました。二人には息子がいました。彼の名は、ロバート・ジーン・オットー。

 

ジーンは、とても大人しい子どもで奇妙な子だったという人もいます。殻に閉じこもりがちで友達もできなかったのです。

 

ある日、トーマスの叔母ブリジットから贈り物が届きました。それは大きなドイツの水兵さんの人形です。でも、正直あんまり可愛くないと思っていたら、ドラマの最後に本物が移りますが、そっくりでちょっと怖いです。

 

その人形はすぐにジーンを虜にしました。ジーンは彼にロバートという名前を付けました。食事も寝るときもロバートと一緒です。子どもにはよくある光景ですが、しかし、厳格な父にはそれが気に入らないようでもあります。

 

ある日、ミニーはジーンの部屋から会話を聞きます。しかし、部屋に入るとジーンしかいません。さらにトーマスは誰もいない2階から、照明が揺れるほどの物音を聞きます。そして、相次ぐ現象にも、ジーンはすべてロバートがやったと答えます。

 

「生きてるよ。ロバートは生きている」、「それに僕が怒られるのを嫌がるんだ」

 

1906年、叔母のブリジットがやってきました。ブリジットは人形を贈ったことを後悔していると言います。そして、人形を糸くずになるまでバラバラにするように言います。しかし、ミニーはそれを拒みました。

 

トーマスは人形を箱詰めにします。ジーンが泣き叫びます。とても辛いシーンです。だって、ジーンは、まだ8歳ですよ。

 

翌朝、ミニーがブリジットを起こしに行くと、彼女がソファで死んでいます。そして、ジーンの横には箱詰めにしたはずのロバートがいます。ブリジットの死因は脳出血とされていました。

 

ミニーがジーンに問います。

「どうやってロバートは箱から出てきたの?」

「誰にも言わないって約束したんだ」、「ロバートは強いんだ、見てないところだと」

 

ロバートを屋根裏にしまい込んだ結果、恐怖を生むことになり、ミニーは息子を守る唯一の方法を選びます、それはジーンを寄宿学校で数年過ごさせることです。

 

ジーンは人形が息子を奪ったと思い込み、ロバートを手荒に扱い、再び木箱に押込み、蓋を釘で打ちます。

 

 

24年後、成長したジーンは、芸術家としての教育を受け、画家とになりました。そして、ヨーロッパ中を旅をし、アンという女性と結婚しました。

 

オットーの家では、父ロバートが亡くなり、ミニーはロバートともに残され、家でジーンの帰りを待っていました。そして、ミニーはアンに忠告します。「絶対この家に越してこないで」、「この家に住んじゃダメ。ロバートがあなたのことを嫌うわ」

 

「ロバートは今まで私が憎くても追い出せなかった。それは、私がいればジーンがいつか戻ってくるから」この言葉通り、間もなくミニーが亡くなります。

 

そのミニーの警告にかかわらず、アンはジーンとロバートと一緒にオットー家で暮らすことになりました。

 

しかし、アンはロバートに部屋に閉じ込められるなど、恐ろし目に遭い、真夜中、ジーンが寝静まったとき、ロバートを燃やしてしまうのです。しかし、翌朝、ロバートはテーブルについています。

 

1974年ジーンは、亡くなります。

 

その後も、ロバートを目撃したという住民の噂が広がり、ロバートは有名になりました。オットーの家の次のオーナーは、屋根裏でロバートを発見します。そして、やはりその存在に悩まされます。

 

そして、彼をキーウェストの博物館に寄贈します。今でもロバートは博物館にいます。

 

そのロバート人形を許可なく撮影すると不幸が訪れると言われています。人々の存在を信じる心が彼を生かし続けているのですね。

 

日本でも人型は、魂が宿るといい、人型に切り取った紙に厄を押しつけ川に流したり、人形供養なども実際に行なわれています。

 

人形に限らず、モノに対して希薄な現代人に対する戒めとして、万物に魂が宿るという教えは永遠に続くのでしょう。いい物語でした。