Show More Night

契約ライターによる多ジャンルブログです。様々な話題を混ぜて自由に書かせてもらってます。少しでも皆さまの暇つぶしになれるよう一生懸命暇を潰していきますのでよろしくお願いします。ふらっと来て頂ければ幸いです。

ゼロの未来

2013年のイギリス、不思議なSF映画。

 

メガホンととったのは、あの迷監督テリー・ギリアム。もう、名前を聞いただけで覚悟してしまいます。『モンティ・パイソン』、『未来世紀ブラジル』、『バロン』など、数々の難解な名作を世に出しています。

 

 

 

主演は、『イングロリアス・バスターズ』で、冷徹なナチス親衛隊を演じたクリストフ・ヴァルツ。

 

そして、『ジェイソン・ボーン』シリーズのマット・デイモンが、出演時間は短いものの強烈な印象を残しての登場となります。

 

大宇宙に浮かぶブラック・ホールのような映像から始まります。スキンヘッドで裸の男性が、窓からそれを眺めています。テリー・ギリアム監督お得意の少し古めかしいゴシック未来感のある部屋では、アナログ電話のような呼び鈴が鳴ります。

 

男は慌てて受話器を取りますしかし、何も話さず、落胆したように受話器を置きます。そして、「別の日」と呟き部屋を出ていきます。どのようなシチュエーションなのか、まったく意味不明です。相変わらずテリー・ギリアム監督らしい演出です。

 

そして、男は服を着て、昔ながらの目覚まし時計と青く光る液体が入った容器を鞄に詰め、家を出ていきます。ドアを開けると、喧騒にうんざりした様子。街はゴシック調の建造物に原色の色をまぶしたような不思議な光景、街中のあちらこちらに巨大液晶の広告が掲げてあります。このような街に滞在していれば、頭がおかしくなることでしょう。ケバいという、俗語はこの街のためにあるのでしょう。

 

自分を「我々」と呼ぶ、その男の名は、コーエン。マンコムというコンピュータ会社で勤務していますが、ペダルを漕ぎながら、パソコンを操るという職場、いったい何をしているのか、理解しようという努力は捨てます。コーエンは休憩時間に健康診断を受けます。家で電話を受けたいから、休ませて欲しいと願いますが、却下されます。テリー・ギリアム監督ワールド全開です。

 

勤務が終わったコーエンは、会社の上司に仮装パーティに招待され、売却済みとなった廃墟に向います。もう理解しようという努力は捨てていますが、あまりにもカオスな状態です。コーエンは、静かな物置に逃れます。すると、目の前には、一人の男が本を読みながらコーヒーを飲んでいます。彼は会社のオーナー(マッド・デイモン)です。

 

コーエンは、電話を待つため、仕事を家でさせて欲しいと頼みます。その電話は、人生の目的を教えてくれる電話だといいます。それに対して、オーナーは「イカていると」一蹴します。開始20分、あまりにも難解で、気持ちがいいくらいです。

 

ある日の勤務中、上司が「ゼロの定理を証明できる者を探している」と伝えます。そして、コーエンが選ばれた、と。ゼロの定理を証明したデータは、とてつもなく大きなマシン“ニューラル・ネット・マンクライヴ”に送られるらしく、そこを案内されます。そこが会社の頭脳、中枢らしいです。

 

そして、仕事を始めるコーエン。しかし、コンピュータは「ゼロまで93%」と解析します。ところでゼロってなんだ? ビデオ・ゲームのような仕事ぶりは、観ていて相変わらず妙な気分になります。

 

そして、そのゲームのような証明は、何ヶ月も続きます。(もともとおかしかったのですが)徐々におかしくなっていくコーエン。やがて、パソコンや電話をたたき壊してしまいます。

 

その後もおかしな登場人物がぞろぞろ出てきますが、理解しようとしてはダメですね。そして、最後ははかない結末を迎えるわけですが……。う~ん、分からない。

 

すべては利用されていた社畜の未来を描いたブラック風刺といえばいいのでしょうか?